Replied: Fri, 15 Mar 1996 19:03:34 +0900 ALL Que List 『バラブシュカ』 『ジナキュー』 『ジョス』 『ヒューブラー』 『リチャードブラック』 『ザンボッティ』 『ジョスウェスト』 『サウスウェスト』 『ショーン』 『ベンソン』 『タッド』 『シック』 『クラッグス』 『ポールモッティ』 『シュレーガー』 『メウチオリジナル』 『アダム』 『マクダーモット』 『シュメルケ』 『パ−マー』 『バイキング』 『マリ』 『ダファリン』 A part summary of Que list 『バラブシュカ』 1975年頃に亡くなったジョージバラブシュカは有名なプレイヤーで、かつ名を  馳せたキュー職人で、彼の作品(もちろん中古)は、今では最大のコレクターズ  アイテムとして持てはやされています。  それまでは、唯の『玉突き棒』でしかなかったキューに、初めて科学的な論理と  美術品的な技巧を生み出し、また、近代キューデザインの基礎を作った人として  ジナキューの作者と並び賞される存在です。  ただし、バラブシュカにはギナキューと同様に後継者がなく、その独走的で卓越  した技術を受け継ぐ人がいなかったため、後のキュー職人の殆どは彼の作品を分  解して仕事を覚えたのです。  現存のキューメーカーで、直接間接を問わず彼の影響を受けていない職人はいな  いとさえ言われています。 骨董品としても高く評価され、今までにどんな値段  で買っても、必ずそれ以上の値段で売れてきているため、将来への投資として、  特に愛好家の間で最高値で取り引きされています。  ただし、中古部品を使い古美術仕上げを施した偽物が横行しているので要注意。  本当に鑑定眼のある人は、日本には殆どいません。 『ジナキュー』  ロサンゼルスの郊外に住み、名の知れたプレイヤー兼最高級クラスのキュー職人  で、その作品には、愛娘ジナの名前を付けて売っていたが、やがて麻薬と税金の  問題で(昔のビリヤードプレイヤーにはこのような暗い一面を持つ人が多かった)  FBIに追われる身となり南米に逃避行、1987年になり帰国したが、またキュー  作りを再開する意志はないらしく、彼が昔作った作品(もちろん中古)は、専ら  コレクターズアイテムとして最高の値段で取り引きされ収集家やプロに珍重され  ています。  バラブシュカと共に、近代キュー作りの基礎を築いた人といえます。 『ジョス』  近代キュー職人の最高峰といわれるダン・ジョーンズの作品。  かつて名の売れたハスラーだったジョーンズは、バルチモアの仕事場で、息子の  スティーブと二人だけで丹念に最高級品だけを少数手造り生産しています。  1986年の世界チャンピオン、マイク・シーゲルがそれまで2〜10位内の成績か  ら抜け出せずにいたのが、ジョスに切り換えてから各種トーナメントを制覇する  ようになった話は有名です。 映画「ハスラー2」に使われたキューを製作した  メーカーとしても知られています。  ジョスのインレイ(寄せ木埋込み細工)は以前から独創性のある物ばかりで他の  メーカーの格好のコピーの手本となってきたが、パンタグラフマシンでは作れな  い模様やジョイント部分への複雑な彫刻など、常に独創的でより高度の高い難度  の手仕事を狙っています。 研究され尽くした、しっくりとしたフィーリングと  打球性能は現在の最高級品の中でも最高傑作で、現在の米国で最も多くの有名プ  ロに愛用されており、「キューのロールスロイス」と言われる所以である。  ところで、ジョス・イーストと言う商標は存在しません。(ジョスまたはジョス  ウェストのみです。) 『ヒューブラー』  ポール・ヒューブラーは現在のキュー職人の中で最も経験の深い名匠の一人です。  以前メウチ・オリジナルのロバート・メウチも、独立する以前には彼の仕事場で  職人として働いていました。  特にヒューブラーのカスタムモデル(特注品)は彼の普及品モデルとは全く違い  最高級の素材(黒タン・ツーヤ・マッカーサ・エボニー・フレームウッド・象牙  等)をふんだんに使い独特なデザインと繊細なインレイ、丹念な手作り仕上げで  美術工芸品として知られています。 また、極端な少量生産のため入手困難な事  もあり、プロや収集家の憧れの的になっています。  手抜きのない職人技には、感銘を受ける作品が数多くありフラット・インプレッ  クスジョイント方式のソフトで繊細なタッチが売り物となっています。 『リチャードブラック』  基本モデルはたった12種類ながら、伝統的なプロ好みの高級手作りで収集マニア  やプロに最高級品として定評があります。  極端な少量生産のためか、アメリカの市場に中でも、定価では殆ど手に入らない  プレミアの付くブランド。 ジョスのキューにあこがれ、私財を全て注ぎ込んで  苦心惨憺の末に、遂に最高級品メーカーの一人になった。 『ザンボッティ』  現在のクラッシックタイプのキュー職人としては、最高級クラスの一人と言われ  るガス・ザンボッティの作品。  知らない人に会いたがらず、持病の心臓病を気にしながらフィラデルフィアの自  宅の仕事場で、気の向いた時にのみ最高の仕事をするといった典型的な職人肌で  数多くのアメリカのプロも愛用しています。  極端な少量生産による彼の作品は希少価値の点からも高く評価され、中古新品を  問わず最高の値段で取り引きされています。 『ジョスウェスト』  名職人ビリー・ストラウドは、以前同じ仕事場でダン・ジョーンズ(ジョス)と  一緒に仕事をしていたが、一時期体を壊して故郷のコロラドスプリングスへ帰り  以後自分で独立してキュー作りの仕事を初めて現在に至っています。  作品はクラッシックなデザインながら、丹念な仕事ぶりには定評があり、高級な  イメージはジョスに匹敵する物があります。 『サウスウェスト』  社長ジェリー・フランクリンとインレイ担当のカーセンブロック2人で、ネバダ  州のガレージを改造した工場で作っています。  以前は、サウスウエストの商号の代わりに、カーセンブロックの名で売っていま  した。  自分自身も相当の腕前のプレーヤーであるフランクリンは最も基本に忠実な職人  で、シャフトとバットを組み合わせた全体のバランスはもとより、バット部分単  体のバランスも取れるようにグリップの両端に2本のバランスウェイトを入れて  います。 派手なインレイは一切使わないが、世界各国の銘木を厳選して採用し  木だけが持つ『良さ』を繊細な手工技術で表現。  主材料のメープルと黒タンには特に気を使い、製材所を廻り千本の中から数本の  良質な素材だけを自分で選んで買ってくる、といった病的ともいえる執念を燃や  す人であり、彼の職人として良心と努力には常に敬服させられるものがあります。  極端な少量生産のため、日本では入手が困難なキューの一つです。 『ショーン』  有名な木管楽器メーカー Le Bianc の主任技術者というロバート・ランドが、ミ  ルウォーキーの工場で作っています。  最高ブランドの一つとして欠かせない存在で、多様な素材の採用とデザイン面に  も優れ、入念な仕上げの作品は、正にプロ好みのフィーリングを出しています。  Rシリーズ・SPシリーズ等、及びカスタム(特注品)がある。 『ベンソン』  彼の作品は、普通の太さのバットでありながら、腰の強いスティッフなキューが  売り物で(メウチとヒューブラーがソフトの代表なら、ベンソンはスティッフの  代表といえる。)ソリッドなタッチを求めるプロの間には絶対的な人気があり、  ザンボッティに通じるネオクラッシックなデザインと最高級品だけが持つ繊細な  手仕上げは、常に最高の値段で取り引きされる所以です。  極端な少量生産で、日本ではめったに手に入らないブランドの一つです。 『タッド』  日本のプロや愛好家には、古くから知られた最高級クラスに属し、手作りの職人  技を誇るキュー。   クラッシックなデザインながら職人の良心を感じさせる丹念な仕上げと厳選した  素材の採用には、常に定評があります。  日系人のタッド氏は日本との交流が古く、ロサンゼルス郊外のスタントンにあり  ながら、アメリカ本土でよりも、むしろ日本でよく名の知れた存在。  予約しても、いつ手に入るか分からないそうです。 『シック』  ビル・シックは、1942年にルイジアナに生まれ育ち、優れたビリヤードプレーヤ  として地元のプールバーを中心に活躍していました。  1970年4月1日に、日頃の友人のバディーホールとある賭けをしたのがきっかけで  プールバー通いをやめて、機械を自宅に買い込み取りつかれたように失敗の繰り  返しからはじめました。  裕福な家庭環境に育った彼は、今でも気の向いた時のみ働き、毎月せいぜい5〜  6本の最高級品しか作りません。  もちろん、宣伝広告等は一度も出した事がないが、地元のディーラー筋を主に客  は絶える事がなく、既に数年分の予約が入っているが仕事には職人としての満足  が出来る商品だけを出荷するので、仕事を無理に急がせる客は断るそうです。 『クラッグス』  ジョスウェストのビリー・ストラウドと共に、ティム・クラッグスは、いわば  ジョスの暖簾を受け継いだ卒業生の一人です。  最高の技術で丹念に最高級品だけを作っており、アメリカでは折り紙付きの高級  品のメーカーの一つであるが、極端な少数生産のため、日本には殆ど入っていま  せん。 『ポールモッティ』  アメリカの東海岸で評判の小さいメーカーで。ポール・モッティ自身が一人で、  製作している。 したがって生産量は極めて少なく、希少価値が高い。  象牙と金とバーズアイ・メープルだけを使用しており、普通は糸巻きの部分を  皮巻にしているという特徴がある。 非常にシンプルでエレガントなデザイン  である。 『シュレーガー』  ロサンゼルス効外に仕事場を持ちジナキューの流れを受け継ぐ最高級品メーカー  極端な少数生産のため、日本では、入手が困難なキューの一つ。  バート・シュレッガーは、東部のダン・ジェームスと並びバラブシュカやジナキ  ュー等の骨董価値のあるキューの補修、修理の仕事に関しても定評のある職人で  す。 『メウチオリジナル』  メンフィスにあるこの人ありと知れた名職人ロバート・メウチの作品。  フラット・インプレックスジョイント。 細身のナローテーパーシャフト、  シーラーフィルドグリップなど独創的な高度な技術を裏付けに量産工場ながら、  特徴の或る高級品を作っています。  標準モデルのほかに、マイク・シーゲル、ニック・バーナー、ジム・レンピ、  デビッド・ハワード、ラリーフューバート、ローリージョン・ジョーンズなどの  著名なプロとの提携モデルも出しています。  ソフトで繊細なタッチが売り物。 通常は、グリップをコーティングしてありま  すが、特注すれば、滑らないアイリッシュリネンのプレスドグリップに変更して  もらう事もできます。 『アダム』  アメリカのメーカーで日本にも工場を持つ、世界的に有名なキューメーカー。  普及品から高級品まで幅広い商品ラインを持ち、アダムのブランドのほかに、  ビアジオ、フリオ・スタンボリーニ、ダイアモンド、ヘルムステッター等の供給  源としても知られ、世界最大の生産量を誇るメーカーです。  職人による高い水準の量産加工技術と良心的な厳選された素材の採用には定評が  あり、現在かなりの数量がアメリカより逆輸入されています。   『マクダーモット』  日本で最もよく知られたウィスコンシン州のキューメーカー。  普及品から高級品まで幅広い商品ラインを持ち、現在米国で最も売れているブラ  ンド商品の一つ。 社長のジム・マクダーモット氏はプロモーションにも熱心で  ビリヤードトーナメント「マスターズ」のスポンサーとしても有名です。  1988年後半には、コンピュータグラフィックで描いた、自然の動物感をテーマに  インレイを施した「ワイルドライフ」コレクションを発表して、新しいデザイン  の指向として注目を集めています。   『シュメルケ』  独特な理論と設計によるプロ好みのプレーヤーズキュー。   殆どの装飾的な細工を省き、細身のバットに細身のシャフトテーパー、旋盤加工  による独特な形の手造りブラスの引き物スーパージョイントとそれに一番の特徴  であるフォーワードバランス(グリップのより先端に近い方にバランスポイント)  により安定した突き易さは抜群です。 またブレークにも威力を発揮。  徹底的に無駄を省き、厳選した良質の素材を使い、独創的な設計理念をもとに、  プレイアビリティのみを追及して作られたとも言うべきキューであり、その意味  で量産品ではコストパフォーマンスの高い、最もお買得なキューと言えます。  また、特注すればアイリッシュリネン巻のグリップも入手ができる。 『パ−マー』  100年近い社歴を持つ会社で、1975年頃には業界のリーダー的存在でした。  過去には輝かしい歴史があり、キューの収集家のコレクションの中にはその歴史  的意味合いから、年代物のパーマーのキューが含まれます。  数多い名職人の中には、この会社の出身の人も多く、現社長ジェリー・パーマー  氏になってから、時代の流れから専ら量産普及品の路線を選び日本などの工場へ  のOEMによる委託生産もしている。 『バイキング』  キューメーカーの本場ウィスコンシン州にある中堅メーカー。  カナディアンメープルの産地に近く良質な材料を使い、かなり手も込んだインレ  イと新感覚のデザインが好評で、値段的にも手ごろな物が多くあります。  社長のゴーティ・ハート氏も優秀な職人で、今後の発展が益々期待される会社。 『マリ』  高級ビリヤード用ラシャメーカーとして有名なヘンリーW.T.マリの製品。  アメリカの普及品を代表する製品。 デザインよりも素材と構成に主力を注いだ  消費者にとってはお買い得な製品。   『ダファリン』  数多い北米の日本のキューメーカーの中で、唯一のカナダの工場で作るメーカー。  高価な原料材木の調達が容易なためか、良質な素材には定評があり、ハウスキュ  ーとしての1ピースキューも数多く出しており、おそらくハウスキューとしては  最高級品の一つといえるでしょう。  最近、高級な2ピースキューも作り出しています。 kawasaki!@vnet.ibm.com